2021/03/20 11:30

<春のお彼岸>

彼岸入り:3月17日(水)
中日(春分の日):3月20日(土)
彼岸明け:3月23日(月)


お彼岸は日本独自の仏教行事で、ご先祖さまを供養し感謝をささげる精進期間とされています。この期間にはお墓参りや法要などを行い、ご先祖さまに思いを馳せるのが一般的です。お彼岸の始まりは聖徳太子の時代にさかのぼるともいわれており、非常に古くからある風習といえるでしょう。

「彼岸」という言葉は、私たちが生きている「此岸(この世)」に対して、「向こう岸(煩悩や迷いから脱した仏さまの世界)」を意味する言葉です。しかし私たちが普段「お彼岸」という言葉を使うときは、こういった仏教的な本来の意味ではなく、期間中に執り行われる法要やお墓参りのことを指しているのが一般的でしょう。

「彼岸」という言葉は、「paramita(波羅蜜多、パーラミター)」という言葉を漢訳した「到彼岸」を略したものといわれています。「paramita(波羅蜜多、パーラミター)」は、インドで使われている言語のひとつであるサンスクリット語で、仏教用語の「パーラム(彼岸)」「イタ(至る)」の2つが合わさったものです。

「向こう岸(煩悩のない仏さまの世界)」といった意味をもち、その境地へ達するために行う修行や修行期間を意味するともいわれています。

このような思想が、日本人独自の風習やご先祖さまを供養する習慣、自然観などと結びついて現在のお彼岸につながったというのが通説です。日本以外の仏教国では、このような期間は特にありません。


お彼岸の期間は、1年に2回あります。季節は「春」「秋」です。春にやってくる「春彼岸」は、3月の「春分」を「中日(ちゅうにち)」とし、その日の前後3日間(合計7日間)が該当期間となります。一方で秋の「秋彼岸」は、9月の「秋分」を「中日」とし、同じく前後3日間(合計7日間)が該当期間です。

一般的には「中日」の前後7日間にお墓参りをします。墓石を洗って周りに生えている雑草なども抜き、線香や花を供えましょう。その後は、手を合わせてご先祖さまに感謝の意を伝えます。近況報告などもしてみてはいかがでしょうか。家族そろって足を運び、ご先祖さまに挨拶する機会にしてもよいでしょう。

なお、お墓参りはお彼岸にかぎらず何度でも行くことが理想です。無理のない程度に、できるだけ足を運びましょう。